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特殊清掃を扱う専門会社「特殊清掃24時」:特殊清掃「戦う男たち」2006年分

特殊清掃「戦う男たち」

夢のあと

自分が死んだら、柩の中に何を入れて欲しいだろうか。
若い頃は、結構真剣に考えて耳かき棒と酒をリクエストしていたが、今はどうでもよくなっている。
浮世の金品も、アノ世には関わりのない物と思うから。

どんなに高価な物でも、灰になってしまえば同じこと。
どんなに偉い人でも灰になってしまえば同じこと。

人は何も持たずに生まれてくる。
そして、何も持てないまま死んでいく。
現金も、株券も、豪邸も、高級車も、ブランド品も(私の場合はコノ世でも持ってない物ばかりだけど)。

私を含めて、どうして人はこうまで物を欲しがるのだろうか。
生活がある程度便利で快適であれば、それでいいような気もするのに。
命は有限なのに欲は無限と言うことか・・・何となくバランスが悪いような気がする。

では、目に見えないものはどうなのだろうか。
例えば、愛・名誉・徳・善行など。
全ては有限?中には無限のものもある?永遠ってある?
ま、その類の話は、どっかの宗教にでも任せとけばいいか。

遺族が柩の中に入れる物で多いのは、まずは衣類。
お金や写真、手紙も多い方。
それぞれの品に、それぞれの人の、それぞれの想いがある。
それは、「故人の為」と言うより「遺族本人の為」と言った方が適切だと思う。
柩に物を入れることで、わずかでも癒されるなら故人にとっても「ありがた迷惑」にはならないだろうし。

最近は火葬場の都合で副葬品が制限されることが少なくない。
環境問題なのか火葬炉の問題なのか、または火夫の都合なのかは分からないけど。

火葬炉では強力バーナーで一気に焼かれるらしい。
燃焼より冷却の方に長い時間を要することも聞いたことがある。

どちらにしろ、人間の身体も物と同じであっけなく灰になる。
残された人の心に留まれるのも、せいぜい孫の代くらいまでか。

時が経てば、全てが夢のあと。
嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、苦しいことも、笑ったことも、泣いたことも・・・だったら、無理矢理にでも笑ってみるか!
ハハハ・・・やっぱ心が伴ってないとダメだね。
じゃ、どうやったら心から笑える?

実は、笑うことも泣くことも自分の支配下にないことに気づかされる。
現実に笑うのも泣くのも自分なのに。

やはり、生き・生かされていることって、かなり不思議なことだと思う。
まるで、夢のようだ。

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