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特殊清掃を扱う専門会社「特殊清掃24時」:特殊清掃「戦う男たち」2006年分

特殊清掃「戦う男たち」

自死の選択

ここ数年、日本人の自殺者数は高いままである。私のような職業ではない人でも知っている、目新しくもないニュースである。インターネットの自殺サイトも活発に動いているようである。

今日も日本のあちこちで、約100人が自らの命を絶っている。
ブログにも一案件だけ載せたが、当社にも自殺志願者が電話をしてくることがたまにある。もちろん、自殺現場の跡片付けをしたことも数知れず。

自殺理由はさまざまだろうし、それぞれの人にそれぞれの事情があるのだろう。

「自分の命は自分のものか?」

などと言う哲学的・宗教的な話は別に置いておいて、毎日のように死体と関わっている私が自殺について思うことを簡単に書いてみたい。

人間は死にたくなくてもいつかは死ななければならない。人生は二度ないし、人生という時間には必ず終わりがある。一旦生まれてからは、あとは死に向かって進んでいるだけである。そんなことは私が言うまでもない。

死にたい人は死ねばいい。生きていたくない理由があるのだろうから。自殺は悪いことではない。世の中には、自殺志願者の悩みや苦しみを理解できない者が、上っ面の同情心やきれい事で自殺を否定し罪悪視する風潮があるが、そんなのは無責任な連中の身勝手である。
私は、自殺志願者の人生の一部にでも責任を持てる者だけが、その人の人生への介入が許されるものと考える。

しかし、これだけは言っておきたい。

「自分には死ぬ権利はあっても、他人に迷惑をかけたり他人を不幸にする権利はない!」と。

逆に言えば、自殺しようとする人は、誰にも迷惑をかけず、誰も不幸にしない手段や時期を熟考して、それが実現できるように死ねばいい。

私が知る限りでは、自殺はどんなかたちであれ、他人に多大な迷惑をかけ他人を不幸にしている。私だって、自然死と自殺の現場では気持悪さが違う。

結局のところ、私も自殺を否定・反対しているように思われるかもしれないが、決してそうではない。私は自殺を肯定も反対もしない。自殺現場の跡片付けをしている私だからこそ言える感想を記したまで。

私は自殺現場の後始末も仕事として多くやっているが、仮に自殺者がゼロになったって心配無用。おまんま(御飯)が食えなくなることはない。日本(特に都市部)では自殺がなくなっても孤独死の現場だけで充分仕事になるから。

今日のブログは硬い話でつまらないかもしれないが、自殺を考えている人・生きていることに疲れている人の参考になれば幸い。自殺の跡は悲惨!だぞー。

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